一般的なケガは自然に治るのに、何故あなたの悩みは頑張っても解消しないのか?

けがや病気を治す「免疫システム」と、頑張るほど状況が悪くなる事との関係

我々の体には、ウィルスなどの外敵が体内に入ってきたら戦って排除しようと働いたり、ケガをしたら修復しようとしたりする機能が備わっています。

それが「免疫」です。

そして、この免疫の働きと「悩みを解消しようとする心の動き」はとても構造が似ているのです。

悩みを抱えた時、人は意識的にも無意識的にも自分なりにその悩みを何とかしようとし始めます。

しかし、ここで残念な事実があります。

そもそも悩みを生み出している心の状態が潜在意識レベルで不一致の状態なので(本来の正しい状態ではないので)、その状態では、どんなに頑張っても解消に向かう為の最適な言動(対処法)を取る事ができないのです。

つまり、

悩みを解消しよう。状況を変えよう。

そう考えて取る自分なりの様々な対処法が、結果的に今の辛さや悩みを固定化してしまったり、維持させたり、より深刻化させてしまっているのですね。

良かれと思ってやっているからこそ尚悪い。

という事です。

実は毒なのに、そうとは分からず治す薬だと信じて飲んでしまう。
自分ではブレーキを踏んでいると思っているが、実はそれはアクセルで、誤解して踏み続けていた。

そんな感じです。(状況によっては、その逆も然り、です)

花粉症などのアレルギー疾患や、免疫システムが良かれと思って(誤って)結果的に自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患というものがありますが、そのメンタル版だと考えてもらえば分かり易いと思います。

残念ながら自分では気が付けないのです。

自分の心が実は正常な状態ではなく、それが故に解消に本当に必要な対処を取る事ができず、それどころか、事態をより悪化させる対処をしてしまっている事に。

ですから「悩みが自然に解消しない」のは勿論、頑張る程に「空回りする、より状況が悪くなる」のもある意味当然と言えるのですね。

その為、まずは対処法云々の前に、心を『生まれ持った本来の状態(正常な状態)』に戻し、適切にコントロールしていく必要がある訳です。

なぜ、同じような悩みに繰り返し見舞われてしまうのか?

当コンテンツを読まれている方の中には、

  • もう一歩という所でいつも状況が崩れていってしまう。
  • (恋愛で)本命には振り向いてもらえない、タイプじゃない人からばかり好かれる。
  • 状況を変えたくて頑張っても、結局、同じ様なパターンに陥って失敗してしまう。

こんな方も多いのではないでしょうか?

それは決して偶然でも気のせいでもありません。そういう事態に陥ってしまう「意識レベルでの要因」があるんです。

いかなる問題も、それを創りだしたのと同じ意識レベルでは解決することができない。

上記の言葉は、このノーベル物理学者・アルベルトアインシュタインのものですが、実はこの言葉、心の問題にもそのまま適用できます。

(なぜなら物理的な問題や身体的な問題は、心の問題と構造的には同じだから)

悩みは、それが生み出されたのと同じ意識レベル(心の構造)のままでは根本解消できません。

それを理解してもらう為にまず知っておいて欲しいのは、悩みにはそれぞれ「階層」があるという点。

次のページの図を見て下さい。

悩みの階層

悩みの階層は、【3⇒2⇒1】の順で深くなっていきますが、一般的に悩みや不本意な状況として表に出てくるのは最も表層である【3】の階層にある悩み。

自分の意識や信念の流れ(図中の矢印)は最も深い部分である【1】から生まれて末端に進んでいきます。

この流れがネガティブなものであれば悩みが起きたり、自分の願望と反する状況が起きたりします。

逆に、【1】の階層にあるものがポジティブなものであれば、そこから流れる力もポジティブなものになり、スイスイと思うように人生が進んだり、あなたの力を存分に発揮できる状況になります。

(上記図の階層がイコール、潜在意識の深さ、およびメンタルブロックの階層と考えてもらっても構いません)

同じ様な悩みが生まれる謎を解き明かす2つの意識モデル

悩みはあなた自身の内面からくる(と認識している)ものと、自分の外側で生じて自分に向かってくる(と認識している)ものに分かれますよね。

この2つについてそれぞれ意識モデルで解説します。

1.内側の意識モデル

悩みは自分で自覚したものしか対処できませんが、既述の通り、表に出てくるほとんどが最も階層が浅い【3】の部分、言わば「末端の悩み」のみです。

その為、多くの人がこの「3の階層の悩み」を何とかしようと本やネットのノウハウを試したり、セラピーやカウンセリングを受ける訳です。

しかし運よく事態が改善した場合でも、上記の図の通り元々が深い階層からきているものなので、結果、同じ様な悩みが生まれてくるのは当然なのです。

例えるなら、雑草の草の部分だけをむしっても根っこが残っているから再び生えてくるようなもの。

勿論、【1】や【2】の深い階層に大した問題を抱えていない人でも【3】の階層レベルに悩みは生じます。

(その場合は本やネットの方法や特定のノウハウ、簡単なセラピーだけでスッキリ解消できたりします)

ですから、もしあなたの身に何度も同じ様な悩みが起きる場合、悩みの本丸は【3】の階層ではなく、【1】や【2】にあるという事が分かります。

「根っこが残っているから」であり、その部分への対処が必要という事なのです。

2.外側の意識モデル

外側で生じて向かってくるもの(例えば対人関係での悩み等)は、自分の意識とは関係なく生じると思われるかもしれませんが、これについても意識モデルで説明できます。

意識モデルの【1】や【2】の階層部分は、主に幼少期のネガティブな経験、例えば、

父親によく殴られていて、そんな生活を何とか切り抜けた経験

などによって、強い影響を受けます。

ネガティブな経験は特に潜在意識に強い影響を与えるというのがポイントです。

しかし、上記の例え話のように「切り抜けた体験」が全体で見た時にネガティブなものであったとしても、「切り抜けた」という点において潜在意識内では、ある種の成功パターンとして影響を受けます。

それが潜在意識内で特定の信念を作り、その信念に基づく言動パターンとなります。

そしてそれ以降も、潜在意識はその成功パターンに沿ってあなたを生かそうとする為に過去の(つまり父親に殴られていた状況)と似た状況にあなたを導いてしまうのです。

この場合、不本意な状況に見舞われるというよりは、あなた自身(あなたの潜在意識内に後天的に入ってしまった信念)が不本意な状況に引き寄せられていってしまうイメージ。

例えるなら、ハチなどの虫が、本能的に蜜に吸い寄せられていってしまう様な・・・。

(因みに、トラウマがあるとそのトラウマと同じ様な状況に身を置きがちになってしまうのも同じ心理構造によるものです)

以上、これらが同じ様な悩みが何度も繰り返し起こってしまうロジックです。

悩みの根本解消の為には表に出ている悩みに惑わされ過ぎず、悩みを生んでいる意識モデルをしっかり理解し、あなたのケースに該当する階層部分(ほとんどは1の階層)にある要因を特定した上で解消する事が必要になってくると分かって頂けると思います。

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