「トラウマはない」はずがない
トラウマは存在します
ライフハック系ブロガー、そしてコーチングベースのメンタルセッションを行っている方の中で「トラウマなんてない」と主張されているケースが中々の割合で見受けられます。
トラウマなんて甘え。
自分の選択に過ぎない。
などと主張しているケースも。
ハッキリ言います。
こうした、人を責める系の世迷言に惑わされないで下さい。
浅はかな言説はどの世界にもありますし、それをあくまで自分の中だけのものとして持っている分にはいいですが、外に向かって主張する事で本当に苦しんでいる人を簡単に傷つける事ができてしまうのが問題です。
トラウマというものが存在する事は既に精神医学的に、神経科学的に、心理学的に証明されています。
逆にトラウマがないと主張している人達の根拠は、ほぼ100%
「アドラーがそう言っている」
というもの。(嫌われる勇気などのアドラー本が売れましたからね)
アドラーは素晴らしい精神科医であり心理療法家で、人柄もとても尊敬できる方だったようですが、だからといって彼の考えや言葉が全て正しいという事にはなりません。
(個人の問題ではなく、その時代には分からなかった事、分かり得なかった事がある訳です)
例えば、
彼らの能力が劣っていた訳ではありません。その時代で理解できる限界があり、昔分からなかった事で今は解明されている事もあるという事。
トラウマに関する考え方も然り。
アドラーの時代(というかアドラー自身は)は、トラウマに関する詳細が分からなかったというだけ。
(因みにアドラーの本を読むと、彼はadhdやasdについても理解が及ばなかったようですが、これについてもその当時、発達障害の概念はなく仕方なかったと言えます)
もう一度言います。
トラウマは存在します。
事実としてトラウマに苦しんでいる人も多くいるのです。
なので、「トラウマなんてない」と主張している人は、当然自分では悩んでないのでしょうし、苦しんでいる人が存在している事も知らないからそんな事が言える、ある意味で幸せな人とも言えるのですが。
そもそもトラウマがあるかないか?などと議論する価値はありません。事実として存在するトラウマ由来の苦しみを解消していく事こそが重要な訳です。
ではなぜ、わざわざ「トラウマはある」と説明する記事を出したのかと言うと、トラウマ由来の悩みを解消する為には、トラウマというものが存在する事を認識した上で様々なアプローチを行っていく事が最短の道になるからです。